食物アレルギー
食物アレルギーとは、通常であれば体にとって必要な栄養源である食物が、免疫システムの誤作動により「異物」と認識され、さまざまな症状を引き起こします。
・原因となる食品摂取して2時間以内に
| 皮膚症状 | 蕁麻疹、発赤、紅潮など |
|---|---|
| 粘膜症状 | 目のかゆみや口の中や喉のイガイガ、耳の奥の痒み、鼻水やくしゃみなど |
| 呼吸器症状 | 咳、喘鳴、呼吸苦、かすれ声 |
| 消化器症状 | 腹痛、嘔吐、下痢 |
| 循環器症状 | ぐったりする、顔面蒼白など |
などがあげられます。 お子さまの場合には、不自然に寝てしまう、という訴えも見られます。
アレルギー症状が進行する、免疫反応が大きい場合に、多臓器にまたがる症状が出現することがあり、これをアナフィラキシーと呼びます。例えば、皮膚症状である蕁麻疹と呼吸器症状である喘鳴がともに出現した場合などです。アナフィラキシー時やアナフィラキシーに血圧低下を伴うとアナフィラキシーショック時には、速やかなエピペン(ボスミン)の筋肉内注射が必要となります。
当院では、エピペンの処方、アクションプランを用いた説明、指導を行っております、エピペンは命を守る大切な薬剤になりますので、重い食物アレルギーをお持ちで、エピペンの所持が必要と診断された方は必ず携帯するようにしましょう。8、9歳を超えてくると保護者だけでなく本人にもエピペンの使い方指導を実施します。
成人の方でエピペンの更新にお困りの方は、いつでも相談してください。
また当院では、食物アレルギーをお持ちのお子さまには、常にアレルギー症状出現に備えた飲み薬の処方を行っております。保護者の方が常に携帯するようにしましょう。
主に粉薬かシロップ、錠剤になりますが、症状出現時に喘鳴症状の強い方には気管支拡張吸入薬も併用していただいております。
保護者の方からの問診、血液検査、皮膚テスト、経口食物負荷試験などが必要です。
食物アレルギーの診断には保護者の方からの問診が欠かせません。できる限り詳細に状況を説明いただければ、その後の検査、治療につながります。症状出現時に摂取した食品のパッケージなどを持参していただくことも大切です。
血液検査については、陽性であっても摂取できることや、検査値が低い場合でも摂取できないことがありますので、注意が必要です。診察で確認した食品の摂取状況と合わせて、可否の判断をしていきます。
当院では、血液検査だけでは、負荷試験・治療するのに十分ではない場合には、保護者の方と相談の上、皮膚テストを実施することがあります。
希望がある方や、詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。
当院は厚生省が定めた認定基準を満たした負荷検査実施医療機関です。
負荷試験の目的はいくつかありますが、代表的なものとして
・原因食品かどうかを判定するため
・食べたことがないが、検査値では陽性である食品についての摂取の可否を判定するため
・原因食品であることは明らかであるが、摂取可能な量を判定するため
・治療をしている経過中に、原因食品の可能な摂取量(閾値)が増えているか確認するため
などがあげられます。
経口負荷試験は、食物アレルギーの診断や治療の欠かせない検査となっています。
モニターの装着、定期的なバイタル測定などを実施し、できる限り安全性には考慮しますが、原因食品の摂取をするため、上記で示したアレルギー症状が出現する可能性はあります。
気管支拡張剤吸入や抗ヒスタミン内服、ステロイド点滴などの適切な処置を行います。症状がしっかり落ち着くまでは経過観察しますので安心してください。
万が一、治療を行っても、症状が改善しない場合には、連携する専門施設へ紹介となることがあります。
負荷試験の持ち物や注意点などに関しては、受診いただいた際に説明致します。
アトピー
「増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患で、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。
アトピー素因というのは、アレルギー体質という言葉がわかりやすいかもしれませんが、現在では『アトピー性皮膚炎』の病態は、皮膚の保湿因子が先天性または後天性に減少することによってバリア機能が低下し、種々の刺激(唾液・汗・摩擦・日焼け等)で皮膚炎(湿疹・発赤)が生じるという考え方が中心となっています。
つまり特別なアレルギーがなくても、皮膚炎をおこしやすい状態であり、長期に皮膚炎を繰り返す場合は「アトピー性皮膚炎」といわれます。
バリア機能が低下した皮膚への刺激で皮膚炎(湿疹)が生じます。特に乳児の皮膚はバリア機能が未熟なため、汗・唾液・衣服との摩擦など日常生活での軽微な刺激で皮膚炎が起こりやすい状態です。
アトピー性皮膚炎の根幹であるバリア機能の低下とそれによるアレルギー感作の流れを防ぐのが目的となります。
生まれてすぐからの適切なスキンケアが重要です。
スキンケアは清潔と保湿であり、アレルゲン・汗・汚れ・菌などを除去し、保湿でバリア機能を維持します。
よりよい清潔としては、泡石鹸で汚れ等をしっかり浮かして、ガーゼでごしごしこすったりせずに優しく手で洗い、シャワー等でしっかり洗い流します。
入浴後早めに保湿剤を顔も含めた全身にしっかりぬります。(すりこむのではなくしっとりのせる感じで)
保湿は1日2回するのがよいでしょう。関節や皺の部分もしっかりスキンケアしましょう。
治療も予防と同様のスキンケアが基本になりますが、炎症を生じた場合は清潔と保湿だけでは改善はしにくく、炎症を抑える薬剤(ステロイド)が必要となります。
炎症をしっかり抑えてバリア機能を維持することが、食物アレルギーなどのさらなるアレルギー疾患への進行を予防することにもつながる可能性があります。
すべすべのいい状態をキープするのが望ましいため、最近では乾燥や湿疹がひどくなったらステロイドを塗るという方法ではなく、湿疹が出現しないようにステロイド等の抗炎症剤を使用するプロアクティブ療法が推奨されています。
当然保湿剤はいい状態の部分にも毎日塗ります。
数年以上の長期にステロイドを使用する場合には、炎症を抑える効果は少し下がりますが、免疫を抑えて皮膚の炎症・かゆみを抑える効果のある薬剤の併用も検討していきます。
適切な治療によって皮膚のよい状態が維持できれば、次第に薬物療法が不要になることも期待できますので、よりよいスキンケアと対応を一緒に考えていきましょう。
喘息
気管支喘息は、気管支の粘膜がアレルギーや感染などで炎症を起こし、気道が狭くなる病気です。咳や息苦しさ、ヒューヒューゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)が出ることが特徴で、特に風邪やアレルゲン(ダニ・ホコリ・花粉など)に反応して発作が起こりやすくなります。子どもの気道は細いため発作が起こりやすく、放置すると呼吸が苦しくなったり、生活に支障をきたすことがあります。
・発作を予防する治療(吸入ステロイド、飲み薬
(シングレア、キプレス、オノンなど))
喘息は発作予防が何より大切です。数か月から数年かかる治療ですが、自己判断で治療を中止せずに根気よく頑張りましょう。
・発作を落ち着かせる治療
(気管支拡張薬(吸入または飲み薬)、ステロイド)
ハウスダストの掃除をこまめに行い、アレルゲンを減らすこと、煙や冷気などの刺激を避けましょう
咳や喘鳴が数日続き、普段の薬で改善しないとき
夜間の咳や呼吸困難で眠れないとき




